リーダーシップサミット2014 アンディー・スタンリー

いやー、早く書き上げろよという話。
リーダーシップサミット、最後の講師は、おなじみアンディー・スタンリー(Andy Stanley)。
リーダー育成に力を入れて、成長した教会の代表格。
数年前には、メガチャーチの一つだった、アンディーの教会、ノースポイントコミュニティー教会(North Point Community Church)は、2014年度アメリカで最も大きな教会になりました!
2014年時点で56歳のアンディー。そうは見えない、若々しいです。
初めて見た時には、何だかひょろひょろしている人だな、と思いましたが、ジョークや柔らかさの裏にある芯の強さは、もう、なんというのかオソロシイレベルです。
アンディーの説教を聞いて私は人生が変わりました。
その時の説教は2012年のものでしたが、以来ライブ配信されているノースポイント教会の説教を継続して聞いています。とにかく早口なので、なかなか大変です。
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さて、今回のサミットの講演内容についてですが、今回はリーダーシップについて、というより、説教的な要素が強いような気がしました。
学ぶ、という視点から見ると、物足りないような気もしましたが、世界のリーダーたちに送る締めのメッセージとしては、忘れてはならない大切なポイントだったのではないかと思います。
説教箇所は2年前の講演の時と同じ、マタイ16:13-19
「さて、ピリポ・カイザリヤの地方に行かれたとき、イエスは弟子たちに尋ねて言われた。
「人々は人の子をだれだと言っていますか。」
彼らは言った。
「バプテスマのヨハネだと言う人もあり、エリヤだと言う人もあります。
またほかの人たちはエレミヤだとか、また預言者のひとりだとも言っています。」
イエスは彼らに言われた。「あなたがたは、わたしをだれだと言いますか。」
シモン・ペテロが答えて言った。「あなたは、生ける神の御子キリストです。」
するとイエスは、彼に答えて言われた。
「バルヨナ・シモン。あなたは幸いです。
このことをあなたに明らかに示したのは人間ではなく、天にいますわたしの父です。
ではわたしもあなたに言います。あなたはペテロです。
わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てます。ハデスの門もそれには打ち勝てません。
わたしは、あなたに天の御国のかぎを上げます。
何でもあなたが地上でつなぐなら、それは天においてもつながれており、あなたが地上で解くなら、それは天においても解かれています。」(マタイ16:13-19)
から。強調点は違いますが、中心の聖句は同じ、
「わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てます。ハデスの門もそれには打ち勝てません。」
ということです。
2年前は、「教会のことに責任を持ちすぎないこと。神は「わたしは…わたしの教会を建てる」と言っている。自分は、牧師であり、夫でもある。夫としての招きを果たすためにも、家に帰る。
そして、残した教会の仕事は、神さまに任せる!」
と言っていました。
今回は、パウロの伝道と殉教、初期のキリスト者達が直面した困難に焦点を当てながら、「それでも、神は神の教会を建てていく、神の働きは、あらゆる困難や障害を乗り越えて、前進していくものだ。」ということを言っていました。
「ハデスも、死の門も、それを留めることは出来ない」と。
「ローマのコロシアムの一角で殉教したパウロの死、仰々しく飾られたローマ皇帝の栄光。
今や人々は、パウロの墓を訪ねて来ても、ローマ皇帝の墓を尋ねることはない。
闘技場はネロの悪名とともに覚えられ、12使徒の名前がついた教会は、世界中に立つことになる。
人々は、自分の子供にパウロという名前をつけ、ネロとシーザーは犬の名前になる!!」
「最も気落ちしている時に、
うまく行っていないと思える時に、
無駄骨を折っていると思う時に、
誰も耳を傾けてくれないと思っている時、
このような建物も持てないし、
教会を建物以上に大きく出来ない。
誰も信じなくとも、誰も認めなくても、
皇帝門に十字架が掛けられています。
…主にあって働きは決して無駄にはならない。
教会を建てると言った時、イエスはすべてを見て言ったのです。」
世界中のあらゆる国で、信仰者達が立ち上がる時、色々な困難が起こる。
全く太刀打ち出来ないような力の前に、虚しく力が潰えるように思う時もある。
でも、神の働きは、絶望的な状況も、困難も乗り越えていく。
そして、「わたしの教会」を作っていく。
アンディーが心から伝えたかったポイントなのだと思います。
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アンディーは、ハイベルズと同様、リーダーシップ育成のために様々な活動をしています。
ある人は、このようなメガチャーチのやり方が商業主義的だ、とか俗的だと言います。
確かに規模や人数や、お金にこだわってスキャンダルを出した教会もありますが、それは、方法ではなく、間違った目的が原因です。
神の働きを広げていくこと目的なのであって、リーダーシップやマネジメントは枝葉です。
目的を間違え、方法論だけ発達した教会は、葉っぱだけのいちじくの木、悪質な詐欺集団です。
リーダーシップ論やマネジメントを悪用するからです。
心理学を悪用するのと同じです。
精神医学や心理学を、今の時代に迷信だと言う人はいないと思います。
100年前はそれらの学問は数字で表せないものだから、科学ではない、と言われていました。
しかし、今や立派な学問体系の一つであり、教会においても、カウンセリングとして広く取り入れられています。
それは、精神医学や心理学が、神さまが作られた人間の性質を理解する手がかりになるからです。
同じようにマネジメントも、人間の心の動きを観察したものです。
教会という群れがよく保たれ、その中で成長していくために、リーダーシップやマネジメントも、教会の運営の柱として認められていくようになると、私は考えています。
アンディーの活動は、良い目的を持ったリーダーシップの取り組みが、宣教の力強い助けになるという、可能性を示しています。
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さて、アンディースタンリーについては、興味深い記事がクリスチャントゥデイ(日本語版)に出ています。これによりますと、アンディーは次世代へのバトンタッチに向けて動き出しているそうです。
「(スタンリー氏は)「私たちの仕事は、30代の男性と女性に投資をし続けていくことです。30代というのは、私たちが(ミニストリーを)始めようと、躍起になった時の年齢でした。私たちはいち早く情勢を察知し、規定にとらわれない新しい人材は誰なのか、注意して目を見張り、彼らに投資をしていく必要があります。
…私たちはミニストリーに対し、こうあるべきという前提を持って、型、ビジョン、アプローチを作るべきではありません。…私たちの時代は終わりです。私たちは、今の世代の人たちの成功を促進するためにここにいるのです」と述べた。」クリスチャントゥデイ2014年10月4日記事より抜粋
詳細はこちら:米最大教会のアンディ・スタンリー牧師「次世代ミニストリーのため、30代に投資する準備できている」
これを読んで思いますに、優秀なリーダーというのは、先見の明があります。
10年、20年先を読んで動きます。そして、着手が早い。
後進の育成は、時間をかけて行うものです。
どうしようも無くなってからでは遅い。
自分のポジションにしがみつき、若手や信徒さんをライバル視し、自分たちの価値観を受け継ぐべきだ、としているような人たちの下で、躍動的な次世代が育つわけがありません。
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もう一つ、今回調べて興味深かった点は、アンディースタンリーの教会は、
ウィキペディアで、
Denomination:Non-Denominational, Evangelical Christianと位置づけられている点です。
すなわち、「教派:無教派,福音的教会」とでも訳せるでしょうか。
これはいいな!と思います。
同じようなことを、私も考えています。
教団教派にしばられず、福音によって集まっている。
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さてさて、長くなりました。
盛りだくさんのスタンリーの記事もここまで。
リーダーシップサミット2014のまとめも、これで終了です。
同分野の発展を願って、このホームページ今年も続けて頑張ります。
どうぞ宜しくお願いします(^^)!
アンディースタンリーの本の紹介:
日本ではまだ1冊だけ、昨年出版されました。アンディースタンリーの説教集のような内容です。
折角なので、洋書の方のリンクも貼っておきます↓↓。