レ・ミゼラブル歌曲 ”Stars”

 

何回か、メッセージで取り上げたことのある「レ・ミゼラブル」

最近、不意に頭に流れるメロディーがあります。

 

同ミュージカル中では、有名な曲ではありません。

 

というのも、主人公ジャン・バルジャンを執拗に追跡する、

いわば敵対者のジャベール警部のテーマ曲。

 

『Stars』

 

 

翻訳がついた画像が見つけられなくて申し訳ない…。

 

ジャベールは映画の中では、法の正義にこだわり、罪人にさばきを下すことを使命にしているキャラクターです。

 

彼には彼の正義があり、自らの正しさで、神に仕え、神の正しさを地に実現する、執行者だと思っています。

 

歌詞の翻訳はこちらなど参考に・・・。

http://musicalfun.blog.fc2.com/blog-entry-179.html

 

日本語での歌(動画)はこちらなど。

 http://youtu.be/y9kTeblq-R0

 

 

結局最後、ジャベールはジャン・バルジャンに命を助けられ、自ら信念としていた正義と、自分の理解を超えた「正しさ」に耐え切れず、自殺します。

 

 

 

『ジャベールの自殺』 歌詞付き動画(一分経過部分から)

http://youtu.be/l65E_ghKM3w

 

最後の部分

「奴は、俺の命を助けた。

だが、奴は俺を殺したのだ。

 

捉えようのない世界、

 

逃れたい、ジャン・バルジャンの世界を、

俺には、辿る道もない」

 

美しい「Stars」の音色と、力を裁きを生きるジャベールの旋律。

人が考える「強さ」の脆さと危うさ、が映画ではよく表されているように思います。

 

*******

聖書の世界だと、パリサイ人の世界だとも言えましょう。

自殺の部分はユダにも重なります。

 

他者の愛に覆われて生きることを許せなかった。

自分の過ちを認め、その中を生きることが出来なかったジャベール。

許されることが、許せない。受け入れられない。

自分の罪を背負ったまま、闇に消える人間の不安さ。

 

 

聖書の背景を理解していると、作品の厚みが全然違います。

 

 

***********

 

はっきりと見えない道が、自らに重なるのでしょうか。

凍る星のような正義の世界と、そうでない世界の間を、おぼつかなく歩いています。

同じ神の世界を、十字架のもとを歩きながら、

全く違う世界を、生きているのです。

 

染み付いた過去の旋律と、囁く星の世界。

 

闇に虚しく消える歌い声を口ずさんで、星空の下を歩いています。