葬儀 -ライオンさんのこと 8

慌ただしく、葬儀を前にして身支度が進んだ。

朝食をご家族と共にして、喪服に着替えた。

 

バッグを探ると変な紙切れが出てきた。

息子さんと話しながら、手持ち無沙汰に折り曲げた。

 

話が終わって、広げてみると昨日病院でもらった領収書だった。

「遺体検査何とか代金」と書いてある紙。

 

「(何でこんな物が必要なんだ、

何でこんな…事が必要な最後なんだ!)」

見たこともない項目の、そっけない領収書に無性に腹が立った。

 

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葬儀の受付が始まると慌ただしかった。

次々にやってくる、関係者の対応に遺族の方も私も忙しかった。

 

気が付くと葬儀が始まっていた。

 

プログラムは淡々と進められた。

 

出棺は11時だった。その後は火葬?

 

もう共に過ごしてきたライオンさんの身体が無くなってしまうなんて。

心が追いつかなかった。

 

でも時間も葬儀も、残酷なほど着々と進んでいった。

 

「(どうしてそんなに死に急ぐんだよ。)」

 

斎場から霊柩車へと運ばれる棺を見送りながら思った。