深海魚 ―ライオンさんのこと 18
近親者が自死すると、どうなるかという世界を生きている。
そういう経験者の記録として、意味があるのなら、今の沈んだままの心境も残す意味があるかも知れない。
何か書くときには、余りネガティブなことは書かないようにしているが、
このところ、心はマイナスのまま、平行線である。
泊りがけの集会があったので、そして、膨大な事務があったので、
外面的に、ここ1週間はやらなければいけないことに追われていた。
たまたま、神学生が実習で来てくれているので、神学生を見ていると気が紛れた。
もうすぐ3週間が過ぎようとしているのだが、心境的には深海魚が続いている。
出来ることなら、海底に沈んでいたい。
深い岩場の影に隠れていたい。
居たんだか分からないような状態になっていたい。
貝のように、黙っていることが多く
口を閉ざして、沈んでいる。
折々、様々な方に相談に乗ってもらいながら、祈りながら。
やらなければいけないことをこなし、帰ると、沈み込む。
ふとした瞬間に、音も光もない世界に居る感じ。
可能な限り、動くまいとする心のエネルギーを、日々の仕事に使ってしまうからか、
自分のことですら億劫。
だから、外では変わりなく見えても、内では「鳩に豆鉄砲」状態で止まっている。
気持ちが焦る。
どうにかならなければ、元気にならなければと思いながら、
やっぱり億劫である。
全ての遺族や関係者が同じかは分からないけれども、
こんな状態で外見は普通に見えている人は多いのかもしれない。
下手をすると、何かがポッキリ折れてしまいそうな感じである。
だから、多分じっとしているのだと思う。