リーダーシップサミット2014 リズ・ワイズマン

リズ・ワイズマン(Liz Wiseman)は資料によりますと、

◆シリコンバレーの指導者育成会社ワイズマン・グループ社長

◆著書『増幅型リーダー』は世界的ベストセラー

とのことです。

同氏の名前を日本語で検索しますと、『ハーバード・ビジネス・レビュー』の記事が一番にヒットしますので、一般的なマネジメントのリーダーシップ養成分野でも有名な方と思われます。

初にお目にかかりましたが、この方もまた情熱的で有意義な講演でした。

講演の内容は、リズ氏の提唱する著書『増幅型リーダーシップ』について。

調べてみましたが、原書『Multipliers』は邦訳されていないようです…。惜しい。

英語圏との情報量とスピードの違いを痛感します。

キンドルで英語版は購入可能です。

 

「増幅型リーダーシップ」と聞いても、ピンと来ないかと思います。

詳しくは、こちらのホームページにも紹介されておりましたので、御覧ください。

「トランス・フォーメーションラボ」 増幅型リーダーと消耗型リーダー

 

大まかに説明しますと、リーダーには2種類いる、というものです。

一つは、

■ 増幅型リーダー

このタイプのリーダーは、チーム、部下の能力を引き出して、より良い仕事の成果を得ようとするタイプです。

根底には同労者への信頼があり、メンバーの成長とさらなる能力の開花を信じています。

仕事上では、自由と権限を与えます。

 

■ 消耗型リーダー

  対して消耗型リーダーとは、同労者を自分の支配下に置こうとするタイプです。部下の活躍は自分の脅威と考えて、自分の地位を脅かさないよう、権限や自由を与えません。

権力志向で、知識を誇り、優秀な人材を集めますが、彼らの能力を引き出すことも、活用することもできません。

消耗型リーダーの肩書、人材、知識は、リズ氏の例えによると、「おばあちゃんのアンティーク」状態で、綺麗に飾ってあるけれども、使えないものです。

 

講演の中で紹介されていたデーターが、とても興味深いものでした。

 聴衆に、自分にとって「増幅型リーダー」は誰であったか、反対に「消耗型リーダー」は誰であったか思い浮かべてもらいます。

「増幅型リーダー」は、一緒に働いていて、自分の能力を発揮し、高いパフォーマンスを引き出した、と思えるリーダーです。

「消耗型リーダー」は、支配的で、他者の中にある問題解決能力を信頼せず、同労者をリーダーとの人間関係で疲弊させてしまうタイプです。

 

「あなたの能力の何%を、そのリーダーと働くことで使っていたと思いますか?」と尋ねます。

 

すると、人々は「増幅型リーダー」と働いていた時は、95~110%(!)も発揮していたといいますが、

「消耗型リーダー」の下では35~0%とも。

 

同氏の調査でも、会場での調査でも同じような結果とのことです。

 

そうすると、支配的な体制、リーダーの下では、人々の能力を引き出すことは難しいということです。

人々は、トラブルを避けるために能力を使うことを避け、意見もせず、その支配体制を去ることも考えるでしょう。

 

そしてもう一つ興味深かった点は、「消耗型リーダー」の類型でした。

長所は短所ともなります。

チームの構成員の気持ちと離れていたら、どんな人も「消耗型リーダー」になり得ます。

 

「消耗型リーダー」となり得るタイプ

■ アイデアマン―独創性に富んだリーダー

■ 救援者方―すぐに助けようとする

■ ペースメーカー―自分のペースに周りを合わせようとする

■ いつもスイッチオン―常にやる気にあふれている

■ 楽天主義者―なんとかなるさ

 

自分は「アイデアマン」タイプに陥りやすいかと、思いました。

色々新しいこと持ってきて、試そうとするから、やり過ぎると周りは大変かな~。

 

「いつもスイッチオン」とか居ますわね…(笑)。

 

「消耗型リーダー」の周りには、いつも負のエネルギーが漂っていそうです。

人のエネルギーを吸って生きる、エナジーヴァンパイアみたいなものでしょう。

 

自分の周りの「増幅型リーダー」を思い起こして、自分も周りの人の賜物を開花させる、そのような働き人になりたいものだと思います。