リーダーシップサミット2014 クリス・ブラウン

この方も初にお目にかかりました。

同名の有名な歌手が居るようですが、そちらではありません。

クリス・ブラウン(Chris Brown)はカリフォルニア、ノースコースト教会共同主任牧師&教育牧師。

ノースコースト教会は9,000人以上が出席しているメガチャーチとのことです。

説教の仕方に特徴があるようで、いわゆるストーリー形式の説教の大家のようです。

「クリス・ブラウンのストーリーレッスン(Stories that Teach With Chris Brown)」

 

ストーリーテールは、一番わかり易いけれども、一番難しい、と神学校で教えてもらいました。

自分も何回かやってみたことがありますが、かなり想像力をたくましくする必要があります。

 

アメリカの有名な説教者たちは、多かれ少なかれこれを取り入れているように思います。

説教を見ていても思いましたが、同氏のメッセージはジェスチャーが豊富ですし、公開されているクリス・ブラウン氏の動画を見て勉強するのも、楽しいかもしれません。

英語で大変ですが、一語一語がシンプルで、臨場感たっぷりに話してくれます。流石です。

 

さて、講演の内容についてですが、聖書からリーダーシップを語らせるとしたら、牧師を本職としている人がやはり上手だな、と思いました。

上手、というのは、何だか薄っぺらい表現ですが、聖書をベースにして話すことや、聖句の引用数の違いなど、信仰がベースであることが伝わりやすいです。

サウルとダビデの記事からの、講演でした。

異国の王パロには、ヤコブに王国の管理を任せる度量があったにも関わらず、

神に選ばれたサウルには、部下のダビデの成功を受け入れ、協力する余裕が無かった、という所が印象的でした。

 

パロは王権以外をヤコブに委ねて、国は安泰。

サウルは、ダビデの活躍を自分の脅威と捉えました。

 

教会では主任が自分の地位にしがみつき、副牧師(夫妻)を追い出してしまうという指摘があり、世界共通の出来事なのだな、と思いました…。

 

教会のリーダーシップはこれに尽きるのだと、マタイの引用。

 

「イエスは彼らを呼び寄せて、言われた。

「あなたがたも知っているとおり、異邦人の支配者たちは彼らを支配し、

偉い人たちは彼らの上に権力をふるいます。

あなたがたの間では、そうではありません。

あなたがたの間で偉くなりたいと思う者は、みなに仕える者になりなさい。

あなたがたの間で人の先に立ちたいと思う者は、あなたがたのしもべになりなさい。

人の子が来たのが、仕えられるためではなく、

かえって仕えるためであり、また、多くの人のための、

贖いの代価として、自分のいのちを与えるためであるのと同じです。」

マタイ20:25~28

 

「牧師、であっても、いつの間にか自分の名声、自分の称賛、自分の立場、自分の縄張りにしがみついて、群れのことではなく、自分のことを考えます。

自分の教会、自分の信徒、自分の立場。

・・・

神の教会、神の民、神の栄光…であることを忘れてしまう。

不安なリーダーは肩書と地位を欲しがります。

安定したリーダーは、イエスのようにタオルを手にとって、スタッフの足を洗います。」

 

というような事を講演していました。

 

ノースコースとチャーチは、主任牧師が4人いるそうです。

彼はその1人ですが、主任と言っても「4分の1主任」だから…と言うようなことを言っていました。

だから、権限もないけど、自分ができない時は、他の人が説教してくれるし、休みもとれるし、家族も大切にできる、と。

 

人間というものは、自分一人で権力を掌握したがる生き物なのかもしれません。

本当は、他の人と共有することが出来るのに。

そのほうが、実はもっと良い運営ができるかもしれないのに、心の底にあるサウル的な不安感で、群れのためではなく、自分の立場を守ってしまう。

誰かに任せることが出来なくて、協力することも出来ず、正気を失い、組織を滅ぼしてしまう。

牧師が誤ったリーダーシップにより、副牧師や神学生や、役員、信徒と権力争いを始めてしまわないように、やはりこういった学びをしておく必要があると思います。

 

加えて、リーダーシップとは、世代交代、後継者育成とセットであるべきだと思いました。

卓越したカリスマリーダーを1人生み出したとしても、もしもその人が独裁者になれば、

長期的な視点では、組織(群れ)を潰します。

 

意識的に権力を手放し、後進に委ね、後継者を育てておく。

世代交代まで全うして、良いリーダーと言えるのではないでしょうか。