Sanctification Gap 1 – Sanctification Gap とは何か

お疲れ様です。
段々寒くなってきましたね。
日本ではもうクリスマスムードになってきているんでしょうか。こちら、クリスマスのクの字の気配もしません。
今日から、いよいよ「Sanctification Gap」やってみたいと思います。
…とは言ったものの、一体どこからやるか…。自分が勉強したばかりのものを、紹介するのって難しいな。
何とか、迷走しながら進みますので、ご了承下さい。
まず、「Sanctification Gap」という用語なのですが、このままでは頭にパッと入ってこない。
Sanctificationは、Sanctify(神聖にする、聖別する、きよめる)の名詞なので、聖化、聖別、きよめ、などということになりますが、メソジスト系の神学でこの言葉を使うと、「きよめ」の教理が脳裏に浮かんで、ニュアンスが変わる可能があるので、それは避けたい。
色々考えたのですが、「霊的ギャップ」と言ったほうがイメージが合うような気がするので、本文中では「霊的ギャップ」と呼びたいと思います。
上に図を挙げました。授業で配布される論文に載っていたものを、そのまま日本語にしたものです。(論文を翻訳して、沢山の人が読めるようにするのが、今の目標です。)
霊的ギャップとは、理想としている霊的状態、人格的レベル、と、今の実際の自分の現状との間にある差のことを言います。
キリスト者は一生をかけて、キリストに似ていくようにと教えられています。
キリストに似ていく、とはガラテヤ書にある、御霊の実を結んでいくことです。
しかし、理想と現実の間には差があります。
このギャップをどのように埋めようとするのか、どのように対処するのかが、信仰の生き方の違いになってくるという訳です。
このSanctification Gapという概念は、1973年にRichard Lovelaceという神学者が執筆した論文に始まっています。
スピリチュアル・フォーメーションという、学問分野が確立し始めたのは、ここ2,30年にアメリカで幾つかの分野のクリスチャンたちが霊的復興に取り組んできたことが形になってきたようです。
カトリックではヘンリー・ナウエン、哲学者では、ダラス・ウィラード、心理学ではデビッド・バナー、キリスト教霊性の歴史ではリチャード・フォスター等のそれぞれの分野での貢献を元に、スピリチュアル・フォーメーションが形成されてきたようです。
スピリチュアル・フォーメーションとは、なんぞやといいますと、外向きの伝道活動に対して、自分の霊性を静かに考えるという、どちらかと言うと内向きの方向性を持っています。
何のための内向きか、と言いますと、キリストの霊性を伴った成長をするためです。
伝道活動をしていても、クリスチャンであっても、何の霊的成長も伴っていない、聖霊の実を結ばないようなことを防ぐためです。
これまでの霊的なケアでは、対応ができなかった、深い霊的な苦しみに目を向けて、信仰者にとって本当に回復となり、成長につながるためのケアをするための学問です。
Biolaの方針は、この当時に発表された論文の方向性とは、異なる方向性を持っているのですが、基本として、まずLovelaceの論文の内容を理解しないといけないので、次回はこの、元となっている論文の内容からSanctification Gapのオリジナルを見てみたいと思います。
今日ご紹介した神学者、学者達の代表作です。どれも有名な本のようですから、冬休みの間に読むようにしてみます。