「あなたのため」がためにならない話
注意や助言を受けることは沢山あります。
批判も非難もあります。
どれを聞くべきで、どれを受け流すべきなのか、注意しなければいけません。
私は、出来るだけ、たとえ非難でも考えるべきところがあるのではないかと思って、出来るだけ聞こうとします。
そして立ち直れずにぐちぐちするタイプです。
さて、一応社会に出て、10年位が経過しました。
その間学生の時期もかなりありますし、限られた業界業種なので、経験は多くないかもしれません。
しかし、今振り返ってみて、教訓として学んだことがあります。
「あなたのために言っとくけど」、という人の助言は役に立ちませんでした。
私が出会った中で、このタイプの人は自信があるように言ったり、そのように見せるのですが、
発言や行動を観察してみると、深い劣等感や孤独感を抱えている人でした。
某まとめサイトで見つけた相田みつをさんの言葉。
何でも言ってもらえることは、聞いておこうと思って、「ありがとうございます」と言って、言われたことを自分なりに取り組んで変えてみようとしたこともあったのですが、そのようなことを言ってくる人は、しばらくすると、また似たようなことを言ってくるんです。
もしも、同じようなことを言われて、どうしようかと思っている、と言う人は試しに他の人に、その人から指摘されたことを相談してみて下さい。
私は周囲10人位の人に聞きました。
メンター、同僚、昔からの知り合い、別の友人、職場の人、職場のお客さん、色々な人に聞いてみて下さい。
私は「あなたのために言っとくけど」という人に、幸か不幸か何人も出会ったため、それぞれでパターンが違いますが、
「何のこと?」
「そうは思わないよ」
と他の人から言われることがほとんどでした。
それどころか、何も言っていないのに、別の人からその「あなたのために言っとくけど」の人が指摘した問題の、逆の評価をもらう時がありました。
例えば、「もっと注意深くした方がいいよ」だったら、別の人からは「いつも丁寧で、周りのことに配慮しているね。」と言われます。
と、例ですが、同時にこのようなことが起きた時がありました。
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それで、一体誰の評価が本当なのだろうかと思いました。
関心がある方は、ネットで調べてみると良いかと思いますが、「あなたのため」と人が使うときには、本当に相手のため、ではなく、言いたいことを言っている「本人のため」であることがあるのです。
「自分のためではなく他人のためにやる」という言葉をつかうことにより、自分のやっていることを「正当化」「肯定」しているにすぎない。」
上司が「あなたのために言っている」と言いながら怒ることについて – Yahoo!知恵袋
要するに、
「私はあなたに不満がある、それをあなたに言いたい。
でもそれは、私の不満のせいではなく、私を不満にさせているあなたが悪い。
私を不満にさせるあなたには、未熟なところがあるってこと。
不愉快なことを言うなんて、大変な労力を普通の人は払わないのに、私はそんな精神的犠牲をあなたのために払うのだ。
それは私があなたを愛しているからだ。
こんなに犠牲を払って言う私は、悪いことをしているのではない。
言ってあげるのが、正しいのだ。
私は、私の不満から相手を傷つけるために、言うのではない。
あなたのために、言ってあげるのだ。」
という正当化ですね。
自分のためではない、という気持ちがあったら、そんなに正当化する必要はありません。
心の何処かで、相手を、自分の期待するように変わって欲しい、反応をして欲しいと思っていいるのです。
オブラートに包むと、上のような言い方ですが、要は、相手をコントロールしたい、自分の優位を認めさせたい、相手が自分より下だということを分からせてやる、という姿勢です。
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と、今ではこうやって色々観察できるのですが、言われたときにはなんにも分かりません。
でも、結局そんな時は、「あなたのため」と言ってきた人の言うことを聞きませんでした。
私は、以下の様なことを思ったからです。
「あなたのため」という人の
・人格的な姿勢が魅力的なものではなかった
「あなたのため」というのは上から目線でしょう。仮にしも、教会ですから、人格の修養の場ですよ。見習いたいと思える品性を持っていないのに、見習えない…。
・ぜんぜん心に響かなかった
意識していないことを注意されるという事もあるのかも知れませんが、寝耳に水という内容もあります。ほとんどいちゃもんです。
・本当に私のことを心配しているのか?
余裕がある時であれば、相手との関係性を壊さないように考えます。しかし、もしも「あなたのため」と言いながら、自分の気を晴らすためだとしたら。私が弱っている時、苦しんでいる時に、自分の要求を満足させるために要求してくる人は、本当に私のことを考えていると言えるのか?
という以上のような基準から、「あなたのため」の言葉が発された時点で、私の心は「はい、さよならー」と聞き流すようになってしまいましたとさ。
「人の為、と書いて、いつわりと読むんだねぇ」