効果的なスモールグループの作り方

今、スピリチュアル・フォーメーション(霊的形成)の学生の授業課題に協力しています。彼らは卒業後、実際に霊的形成の過程を指導していけるように、グループを作って練習します。そのグループの中の一人として参加しています。

リードするのはその学生で、参加者が4名、計5名のグループです。
今日、帰りながら、話したことがありました。

霊的形成のグループは、最低何人以上、最大何人なのか、質問してみました。

実際に、日本でやろうと思ったら、どのような基準で形成すれば良いのだろうと、思ったからです。

答えは、どちらも制限はないということでした。しかし、少なすぎる(1対1)場合や、多すぎる(15人以上)場合は、カウンセリングになってしまったり、各個人が自分のことをシェアするのに時間がなかったりする場合があるので。リードする人を含めて4人以上、から12人まで位が良いようです。


これは霊的形成の話ですが、日本の教会で、効果的な祈りのグループ、即ち霊的な繋がりを深めることが出来るグループはどうやったら作れるのだろうかと、思いました。

スモールグループと呼ぶと、ちょっと違うかと思ったのですが、より個人的なレベルで、個々人が霊的な成長を励ますためのグループです。

と、言いますのも、日本で牧会をしていた時に、このグループ形成がすごく大変だったからです。
私が働いていたメソジスト派に限るのか分かりませんが、教会では主に性別と年齢と既婚か独身かでグループが形成されています。

大体、若者のグループ、女性の独身グループ、男性は数が少ないからか、独身男性から中年までで一つ、そして、女性会(既婚女性と、30代以上ぐらいのグループ)、そして男女別の65歳以上ぐらいのグループに分かれています。

ほとんどの教会で、元気なのはシニア層のグループだけでした。
それ以外は、スケジュール的にそうなっているから集まっている、という具合で活気がない。
幹事の方は、参加をお願いするための声掛けにいつも苦労していました。

実際の所、同じ性別で年代だからと言って、性格が合うわけではありません。
親の世代から同じ教会で、ずっと代わり映えしないメンバーで過ごしているという人達もいます。
色々と、関係性が近すぎたり、お互いに不満があったりで、仲が悪いこともあります。

何十年にも渡って作られた関係性を、外から来た牧師が数年で変えていくというのは難しいことです。

更に難しいのは、そのようなスモールグループで信頼関係を作るということでした。
本来、お互いの個人的な祈りの課題や、聖書の理解を共有して、霊的な関係性を深めるためのグループだと思うのですが、構成員の中に聞いたことを言いふらす人がいれば、もうそこで終わったようなものでした。

当り障りのないことを話して終わる。
教会員としての義務を一つ全うした、くらいの意味合いしか生まれない。


霊的形成では、グループ形成に原則があります(詳しくはこちら⇒「スピリチュアル・フォーメーション(霊的形成)の聞く技術」)。

それは、自分の話をするのに安全な場所であること、ということです。

これは、教会で霊的な関係性を深めるためのグループ形成をする場合、役に立ちます。
今日、霊的形成の学生さんから教えてもらったことが、以下です。

◆ 安心して霊的な事柄を共有するためのグループを構成するためのヒント

・親密すぎる関係の人(仲の良い人)は、同じグループに入れない
(お互いのことを知りすぎており、互いに自由に発言出来ない)

・夫婦、兄弟、家族、上下関係にある人(上司、部下)も同じグループに入れない
(お互いの事を意識して、安心して話せないため)

・全く知らない人同士でも良い。
(利害関係が無いので、話しやすい。聞く方も、全くバイアスがない状態で聞くことが出来る。)

・性別は混じっていても良い
(内容による。性的虐待などのためのグループは不可。)

そして、グループというのは、Function(機能)によって、分けると良いそうです。
例えば、霊的形成のグループは、霊的形成のための時間を持つ、という機能のグループです。
教会に来たばかりの方々には、ビギナー対象の聖書勉強会のグループ、結婚を考えている独身者たちには、聖書の結婚感を学ぶグループ、結婚前のカップルは、結婚カウンセリングも出来ますし、若い人たちには、キャリア形成と聖書観というようなグループも出来るかもしれません。社会人には、クリスチャンリーダーシップのグループや、夫婦には夫婦、家族のための勉強グループも作れます(でも、カウンセリングの場合は、一対一になってくるかも)。

Function(機能)で分けると、目標が明確になります。

下に表をざっと作ってみました(参考程度に)。

目的に沿って、構成メンバーを変えることが大事だと思います。

グループをリードする人と牧師がしっかり、目的を把握することが大切です。

とは言え、メンバーが数十人の教会では難しいかも知れません。
でも、霊的にケアが必要なメンバーが数十人いるということですから、彼らが魂の深い内面を話してくれる、霊的スペースづくりから、取り組んでみると良いかもしれないですね。

ごちゃごちゃしました。

続けて整理して考えてみたいと思っています。

効果的なスモールグループの作り方” に対して2件のコメントがあります。

  1. shine(シャイン) より:

    shine(シャイン)です。はじめまして。

    >これは霊的形成の話ですが、日本の教会で、効果的な祈りのグループ、即ち霊的な繋がりを深めることが出来る
    >グループはどうやったら作れるのだろうかと、思いました。

    効果的な祈りのグループを私は求めています。今、私は霊的な繋がりに難しさを覚えています。
    また、教会内ではあいさつを除いては、話すのを控えているのが現状です。
    相手を傷つけたり苦しめたりするのを避けるためです。

    これからもよろしくお願いいたします。

  2. church-mgmt より:

    Shineさん、はじめまして!
    返信遅れてごめんなさい。

    >教会内ではあいさつを除いては、話すのを控えているのが現状です。
    >相手を傷つけたり苦しめたりするのを避けるためです。
    難しい状況ですね。
    安心できる環境でなければ、人は分かち合いをしないのだということを、パストラルケアの勉強を通して徹底的に教えてもらいました。
    批判、非難、相手の意見を裁くこと、は安心な場所を作るために除かなければならない障壁です。
    自分が安心できないと思えば、話さなくていいと思いますよ。
    なにか必要があればいつでも連絡下さい。
    Shineさんの信仰生活が神さまの恵みによって豊かになりますように、祈っています…!

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