牧会カウンセリングとは何か 4 -7つの原則
今回の内容ね、読んだときは、へぇそうなのか…って、思いました。経験したことがないので、この本で言っていることが効果的なのか分からない。何はともあれ、これ牧会カウンセリングの授業の教科書なので、書かれてあるまま勉強してみましょう。
3 The Strategic Pastoral Counseling Model
第3章 牧会カウンセリングの戦略モデルThe Strategic Pastoral Counseling Model Strategic pastoral counseling is a brief, structured counseling approach that is explicitly Christian and that appropriates the insights of contemporary counseling theory without sacrificing the resources of pastoral ministry.
今日における牧会カウンセリングの戦略的モデルは、近代のカウンセリング技術にからのアプローチを取り入れ、短く、伝道のための資源を無駄にしないことを心掛けている。
The term strategic emphasizes the fact that this approach to counseling is highly focused and time-limited…Seven characteristics of this model are particularly important.
牧会カウンセリングは、制限時間内に集中して行うことが奨励される。牧会カウンセリングは7つの特徴があり、それらの原則を守ることがカウンセリングの上では重要な点である。
7つの原則とは以下の通り。
Table 3 Characteristics of Strategic Pastoral Counseling(牧会カウンセリング7つの原則)
1. Brief and time-limited(短く、制限時間内に)
2. Holistic(広く)
3. Structured(計画的に)
4. Involves assigned homework(課題を与えて実際的に)
5. Church-based(教会を中心に)
6. Spiritually focused(霊性に着目すること)
7. Explicitly Christian(信仰を明白に)Benner PhD, David G.. Strategic Pastoral Counseling: A Short-Term Structured Model (Kindle Locations 640-643).
以下一つ一つ説明していきますが、1番目が最も説明を要するかと思います。何回かに分けて説明します。
1. Brief and time-limited(短く、制限時間内に)
Strategic pastoral counseling is both brief and time-limited, working within a suggested maximum of five sessions.
戦略的な牧会カウンセリングは短く、時間内に終わらせる。カウンセリングは5回のセッションで終わることが望ましい。
いきなり「ええっ!!」な…理由は以下です。
Time-limited counseling incorporates all the advantages of brief counseling while adding some of its own. Here, both counselor and client are aware from the beginning of the total number of sessions….Contemporary versions of time-limited counseling usually set the total number of sessions somewhere in the ten- to fifteen-session range.
カウンセリングの時間制限をすることにより、短いカウンセリングの長所を得ることが出来る。カウンセラーとカウンセリングを受ける人は、最初に全体のカウンセリングの数を把握する。現代の時間制限付きのカウンセリングは、大体10回から15回のセッションで構成される。
Background research conducted for the first edition of this book indicated that 87 percent of the pastoral counseling conducted by pastors in general ministry involves five or fewer sessions. The suggested maximum number of sessions for strategic pastoral counseling, therefore, is five. All brief, time-limited approaches to counseling share four common principles, presented in table 4.
本書の初版において行った調査によれば、87%の牧師が一般の牧会の中で行うカウンセリングの回数は5回かもしくはそれ以下だと回答している。すなわち、理想的な牧会カウンセリングの理想的な最大回数は5回である。全ての時間制限付きのカウンセリングにおいては、4つの基本原則がある(表4)。
牧会カウンセリングは時間制限、回数制限を設けて行うことが理想的であると。
この限られたカウンセリングの中で、カウンセラーが留意するべきことは以下。
Table 4 Principles of Brief, Time-Limited Counseling (表4 時間制限のあるカウンセリングの4つの原則)
The counselor must be active and directive(カウンセラーは積極的で指導的でなければならない)
The counseling relationship must be a partnership (カウンセラーは協力的でなければならない)
The counseling must concentrate on one central and specific problem(カウンセラーはカウンセリング対象者を中心にし、本人の問題に焦点をあてなければならない)
Time limitation must be maintained(必ず時間制限を設けること)
いったんここで切ります。情報量が多くなりそうなので。
えー、衝撃の、牧会カウンセリングは時間制限付き5回以内で終えること!
すごいな。本当にそれで相手が何かを得たと思える満足度になるのかな。必要にかなうのだろうか??
いくらでも無制限に付き合うのが愛かと思っていたので…。
最初のこの部分。
今日における牧会カウンセリングの戦略的モデルは、近代のカウンセリング技術にからのアプローチを取り入れ、短く、伝道のための資源を無駄にしないことを心掛けている。
時間や資源には限りがある、そのなかで最大限に効果を発揮するにはどうするべきなのか、という考え方が、アメリカ的と言うのか、現代的というのか、非常に合理的だなと思いました。
日本での牧会の考え方と、アメリカの牧師先生方の考え方で、違うなと感じる点は、この合理性です。
出来ない部分までしょい込まない。出来ない部分を出来ると思わない。
日本では、信徒さんが持って来る悩みを、全て教会の枠組みの中で何とかしようとします。
アルコール中毒でも、精神病でも、優しい先生は一人ですべて受け止めて面倒を見ようとして、自分も潰れてしまうということがあります。
アメリカでは、自分はあまり詳しくない、もっと良いケアを出来る人がいる、と思えばそちらを紹介します。
例えば、ある先生にレポート作成のためにインタビューしたときに、同性愛の人が来たときはどうしますか、と質問しました。
その先生(日系アメリカ人)は、その人を拒絶することはもちろんしないが、様子を見て、必要ならば自分が同性愛に詳しい専門家に相談するか、その人に専門のカウンセラーを紹介する、と言っていました。ある先生は、自分のところで対処できないと思ったら、他の教会を紹介する、と言っていました。
牧会カウンセリングとは、単に話を聞く場ではないということです。
この点、霊的形成、スピリチュアルフォーメーションになると、話し手の話したいことに焦点を当てます。
この点が牧会カウンセリングと、霊的形成の違う部分ですね。
でも、霊的形成の場合も、ただ話をするわけではなく、神様の臨在を自分の意識の中にある問題にどのように見ていくかという過程なので、しっかりとした目的意識があります。
カウンセリングを受ける人が霊的な癒しを得て、豊かになれるように、指導者は方向性を意識することが重要です。
時間と、回数制限の有効性について説明が続いていますので、説明を続けます。