教会の活動圏
第1回目は、教会の活動圏の話。
Gary先生の経験からのお話し。このトピックはとても大事だと思うんですね。
Gary先生神学校を出たての時、小さなドイツ系の教会に雇われることになったそうです。
当時数十人の小さな教会で、何とか来会者を増やそうと頑張ったと。
チラシ配りや、戸別訪問、色々やってみて、気が付いたことがある。
教会は3つのフリーウェイ(高速道路)に囲まれており(上の写真の3つの線)、人はその高速道路を越えてやってこない。
高速道路が人の生活圏を区切っていると。
高速道路の向こうには教会があり、何とかその区域からも人を集めようと送迎サービスも取り入れてみたが、なかなか来なかった、と。
人は平均的に30分以上も通うのに時間がかかる教会にやってこない。
結論としては、人を集めようと思うなら、生活圏内に沢山人がいる所に教会があることが望ましいと。そこで、先生は思い切って教会の移転を提案してみたけれども、却下。
結局その教会は間もなく辞めたそうな。
「何が人の生活圏を区切っているかは、地域によって違う。
例えば、自分の例では、高速道路だったけれども、電車や、川ということもある。
そこをまたいで人が来るのは大変だというものは、人の生活圏を分ける。
カリフォルニアの場合は、車社会だから、駐車場が無ければ人々は来ない。そのため、駐車場の確保が、教会に人が来るかどうかの鍵になる。
公共交通機関が発達している所の場合は、駐車場はお金がかかりすぎる上に、必要ない。
公共交通機関の駅等に近いかどうかが、大事になる。」
ということでした。
そして、もう一つ、人が来やすいのは、人の移動がある地域。転出入が多い地域だそうです。
長いこと地域に変化のない場所で、同じところにずっと住んでいる住人は、一般に変化を望まない。
学校や仕事の関係で新しく来た人、家族の方が、教会を訪れる、と。
だから、宣伝活動をするにしても、長いこと同じ地域に住んでいる住人よりも、引っ越してきた人たちに届くことが出来るように、広告活動をすることが効果的である、と。
上のようなことから考えると、教会を建てる場所の選定はとても大事だと思うんですね。
昔からそこにあるから、同じところに教会を建てるというのではなく、人が来るであろう所に思い切って移動するというのも手です。
特に、近隣の地域が転出入の少ないコミュニティで、何十年も教会がそこにあるのに、近隣から人が来ないという場合、思い切って別の場所に動いてみてもいいのでは。
Gary先生は、場所と言うのは伝道をするための要素の一つであって、同じ地域に教会があることに、あまりこだわりは持っていないようでした。
そして、生活圏の問題。
広告を配布するのに効果的なのは近所とは限りません。
高速道路や、電車からの利便がいい場合、沿線上の駅などの地域も生活圏内です。
もしも、近隣に転出入のある新興住宅地や、学生、単身者のアパートがある場合、そちらの住人の方が教会に来てくれる確立が高いかもしれません。
教会が位置しているコミュニティの生活圏はどこなのか考えると、効果的に伝道できるかもしれないですね。