ソウルケアミニストリーとは

昨年、2017年度末だったのですが、とあるクリスチャン学生団体のカンファレンスにソウルケアミニストリーチームのカウンセラーとして参加してきました。カウンセラーという言葉を使うと、なんか医療の方のカウンセラーに聞こえるので、なんか別の言葉を使いたいのですが、まだ日本語でふさわしい言葉が見つからないので、とりあえず使わせてください。

英語ではそのまんまCounselorを使っているのですが、Caregiverとか、なんか便利な単語がありますね。

ソウルケアミニストリーと言っても、何をするのか?
具体的に言いますと、カンファレンスの中の一つのサービスとして、悩み相談室があるのです。
カンファレンス参加者達が抱えている問題や、信仰の課題を相談することが出来ます。一人約45分、数名のカウンセラーが常駐しています。

上の写真が受付です。カウンセラーは、すべてTALBOTのPastoral Care専攻の卒業生たち。写真に写っているのは全て先輩方です。
約6年前、クリスチャンの学生団体に所属していたTALBOTの卒業生が学んだことを活かして、このサービスを始めました。
アメリカのクリスチャンカンファレンスでは、時々このようなサービスがあります。
今回約300人の参加者中104名の学生が、Soul Careサービスを利用しました。
カウンセラーは全部で7名。2日間全員ほとんどフル稼働。すなわち、8時間ほど、朝から晩まで連続で学生たちの話を聞く。
大変でした。だって、現地に着くまで何するか知らなかったからね。
着いてちょっと説明受けて、じゃ頑張ってくれ、って言われて、それから8時間連続だからね。

話を聞く部屋の配置はこんな感じになっていました。
これ、本当は良くないね。プライバシー無いから。後で皆で出来るだけ席を離しました。
それでも、途中泣きだす学生さん多数で、話を聞きながらも背後が気になること気になること。
各テーブル、こんなものが乗っております。クリスマス前だったので、クリスマスツリーがね。
涙用にティッシュとゴミ箱。
1日終わるころには、どのテーブルのゴミ箱も涙と鼻水のティッシュで一杯になりまして、先輩が「涙を捨てるか…」と言ってティッシュを捨てていました。
丸いオーナメント、これも面白くて、一人の学生さんは話をしながらずっとオーナメント触ってました。
先ほども触れましたが、カウンセリングの時間は1人45分。
カウンセラーは事前に相談者が記入した受付用紙を手渡され、氏名や相談内容を確認します。
上の写真は、評価シートです。セッションが終わったら、相談者の方に渡して、受付に提出してもらいます。

資料、一応もらってきたので、ここにアップしておきます。
ダウンロード資料のページも昨日作ったので、そこにも入れておきます。

Care Ministryの趣旨説明書

これ、印刷の字が薄いのは元からなので、お許しを。

本当は翻訳したいんですけれども、余力がありませんで…すいません。
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で、実際やってみてどうだったかと。
一体、普通に話を聞くのと何が違うのかと。例えば、牧師が人の話を聞くやり方と…。
これね、かなり違うんですよね。
以前、スピリチュアルフォーメーションの聞く技術、というシリーズやりました。
基本姿勢があれ(アドバイスで話を遮らない、相手が自分の考えを話せるようにサポートする等)で、更に何回も実習を重ねて、カウンセリングの原則を身に付けます。学べば、誰でも出来るようになるものですが、学んで練習して、指導してもらわないと、なかなか大変ですね。
多分、心理学の技術もかなり入っていると思います。
今回インターナショナルの友人2名と共に参加しました。我々はまだ、相談者としての経験は積ませてもらっているけれども、Counselorとしては、練習していない。なのに、いきなり実践に投げ込まれた。とにかくやるしかない。

やってみてね、とても勉強になりました。
英語が喋れないから、大変だったけど、学生さん良く付き合ってくださいました。ありがとうございます。
2日間で、計15人の話を聞かせていただきましたが、どれも良い経験になりました。今学んでいることが、人の役に立つことだし、有効だということが分かって、自信がつきました。

振り返って思うのは、学生さん、若いと言えども抱えている問題、ケアしてあげなければいけない問題は沢山あるということ。
当たり前なんですが、いざ向かい合って聞いてみると、深刻な問題沢山ありました。
信仰のケアが必要で、苦しんでいる人ばかりでした(だから来るんですが)。

主には聞いて、相談者が神さまを問題の中に意識できるようにサポートするだけですが、短い中にもそれぞれが何らかのヒントを見つけていく姿を見ているの、楽しかったです。

時々あるのは、自分が一体何を感じているのか分からないという人。でも涙が出る、苦しい、悲しいという人。
それは、感じることに蓋をしているからなんですが、自分で一生懸命感じないようにしている蓋を開ける作業って大変なんですよね。
ある学生さんは、キリストが奉仕の山に隠れてしまっていて、見えなくなっているということに気が付いて帰っていきました。
別の学生さんは、人の愛情を失うのが恐くて、人ばかり追いかけて、神さまの事を独りぼっちにしていることに気が付いて帰っていきました。

話を聞く時、気が付いたことですが、私自身はスピリチュアルフォーメーションとPastoral Careと心理学方面のアプローチを使い分けて対応しています。最近電話で相談を受けている方々に学んだことを実験させてもらっていて、それがとても良い練習になっていました。
心理学の方は、私はあまり長けていませんが、自分がカウンセリングを受けている中で学んだことを使っています。
よく心理学のカウンセラーに質問しているので、それも役に立ちました。
精神科系の病気の疑いがあるときは、自分で何とかしようとせず、病院につなげてあげるのが役目です。
Pastoral Careというのは、普段牧会でやっていることを、もう少し専門化させたものかなと思います。
相談者の課題に、何を使えばいいのか判断します。精神科医でもないし、スピリチュアルフォーメーションの専門家でもないけれど、必要な人を必要な所につなげてあげる役割。
家族問題、依存症、経済の問題、精神科系の問題、生活のための必要な知識など、具体的な方策が必要な人は、情報を提供します。
信仰の問題、罪、罪責感、恥の問題等はPastoral Careのカウンセリングよりの方法を使います。
信仰生活の取り組み、神さまとの関係、進路の問題などは、スピリチュアルフォーメーションの方法。

まだまだ訓練中、頑張ります。2日目日程終了後、同級生たちと近くのヒスパニック系移民の旧市街地へ。
もう夜10時過ぎてましたからね、お店ほとんど閉まってましたけど、綺麗でした。

うーむ、ラテン系クリスマス。サボテンにリースって。