役に立ったこと
先生が亡くなられて、気が付いたら自分がお世話する立場になるようになっていた。
教えてもらったことを、人に分かち合っている。それで誰かが元気になってくれるのなら、とても嬉しいことだ。
人の話を聞くようになり、振り返ってみると、役に立っていることがある。
とても意外なことだが、それは失望し混乱していた時の経験だ。失敗とも言える。
自分が弱かったとき、スランプに陥っていた時、罵られ、見捨てられ、だめな信仰者だと烙印を押された時の経験だ。
自分の苦しみが長いほど、人の痛みに寄り添うことが出来る。
人の弱さと苦しみを理解することが出来る。
自分が受けた拒絶を繰り返さないように、どうあることが苦しむ人にとって嬉しいことであるのか、自分自身がよく知っている。
そんな私にも寄り添ってくれる人がいた。
私を見捨てないでいてくれた人。
人というものがよく見えた。
痛みが教えてくれる。
だから時々、辛かった日々に感謝する。あの痛みが、私を豊かにしてくれた。
痛みを通して、人に優しくなった。
私を見捨てないでいてくれた人から、愛を学んだ。