Sakura gardens of los angeles(シニアホーム)訪問

シニアホームでのメッセージの依頼があり、行ってきました。場所はダウンタウン。案の定の渋滞。渋滞なしで25分でつくところを1時間ほど運転。
途中、Googleナビから高速を降りるように指示。前方で事故があったらしく、Googleマップがどんどん赤(渋滞の酷さを示す)、からもう赤黒くなっていく。
以前は「高速降りるのめんどくさ-い、どうせ回り道しても、5分も変わらないからこのまま、走る」ということをしていたのだが、ここらの渋滞は本当に前にも後ろにも進まなくなり、高速を降りることすらできなくなるので、危ないと思ったらすぐに離れる。
LAダウンタウン近郊、ホームレス事情
下道を7マイルほど、110フリーウェイを並走。恐らくBroadwayという通り。ダウンタウンに向かうと、どんどん治安が悪くなるというのは、いつものことなのだが、下道を走ると以前にもまして治安が悪くなっているように感じる。
本当に、些細なことぐらいでは捕まらないくらい、警察は手一杯だし、治安は恐ろしく悪い。
こういうところを走りたくない。なぜって、治安の悪さに比例して、運転している人たちのマナーも恐ろしく悪化するから。マナーなんていう話ではない。ドラッグで頭も正常ではない人たちが路上にもドライバーにもいるのだから。何かに巻き込まれたとしても、そんな地域を運転している方が悪いと言われるだろう。
ホームレス街では有名な、スキッド・ロウに実習に行ったことがあったが、スキッド・ロウのような、ミニスラムが路上に出現している。
ダウンタウンを以前運転したことがあった。道の真ん中を叫びながら通りがかる車のボンネットを叩いて走り回る男がいた。それは日常。なにがあってもおかしくない。
今走っている道路の脇に路上駐車している車の列から、何が飛び出てきても。
ホームレスが助けが必要な人だという認識は、あまり無い。このアメリカでは、有象無象の輩が混じっている。自分を守ることにみな必死。本当に助けが必要な人は支援にアクセスできるようになっている。万能とは言わないが、どこかにつながることができれば、生活を立て直すことは出来る。
それでも増加し続けるホームレスというのは、この国の医療制度と社会保障制度が生み出す結果である。精神疾患を抱えたホームレス、複雑で高額な医療システム、自ら動かなければまずアクセスできない社会保障。
時々思う、こうやって社会的弱者を切り捨て、早々に人生から退場してもらうことが、いびつな資本主義の目的、もしくは帰結なのではないかと。…だから、放置されることがむしろ望まれているのではないかと。
ホームレスのなりをして、お金を集めたり、子供を物乞いに立たせたり、犯罪の温床、違法移民の巣窟、本当に何だってありだ。
下手に情をかけるほど、善人を気取る余裕はない。出来ることはする。余計なことはしない。日本だったら、ホームレスの人でも、会話はできる。遠慮深いホームレスの方もいた。こちらは、もう、相手が正常な精神状態だとは思えない。精神錯乱状態で、統合失調症なのか、ドラッグなのか、襲いかかってこようとしているのか、はたまた、死んでいるのか、本当にわからない、予測できない。
さくらガーデンに到着
走行する内に、さくらガーデンに到着。家が豪華で、通りが綺麗になり、緑が増えてきたので、居住区域が変わったことが分かる。本当に、目と鼻の先だが、ブロックで明らかに経済の差が実感できる。
たった目と鼻の先でこんなに変わる。恐るべき貧富の差、SF映画で見るような格差社会が現実になっている。
2回のメッセージ奉仕。1箇所目は、認知性がかなり進み、介護度もそれなりに高い。一人で外出は厳禁という段階の方々。ヒスパニック系のケアギバーが終始イライラしている様子だった。人手不足なのだという。イライラもしたくなるよね。
「入居者の方とは、何語で話しているのですか?」と聞くと、「彼らは日本語を話す。何を言っているかわからない。」と怒った様子で話した。
レストランや、介護施設、肉体労働の場所ではヒスパニック系の方が多く働いている。実は英語が話せないことが多い。ヒスパニックはヒスパニックのコミュニティで過ごすため、英語が上達する機会がなく、何十年いても、英語は話せないということはよくある。日本人の移民の人達もそう。日本人コミュニティで過ごしているから、英語がぜんぜん話せないということは不思議ではない。
何が起きるかというと、共通言語である英語が話せないため、もう本当に言葉での意思疎通できなくなる。だからジェスチャーが頼みの綱…。
テレビには南米なのか、東南アジアなのか農園の風景がDVDで再生されていたが、日本人としては全然わからない、馴染みがない世界だろう。日本であればさしあたり朝のNHK番組か、相撲が放送されているところだ。
椅子に座っているだけで、身動きできないという状態の方もいらっしゃったが、文字を読んだり、話しを理解できる方もいた。
日本語で大声で話すと、にわかに反応が良くなる。半世紀以上アメリカに住んでいるとしても、不思議なもので、母国語の方が断然理解できるし分かる。不思議だよね、言語って。
日本の民謡を聞くと、一度に記憶が蘇るらしい。今度訪問するときにはもっとシンプルで、ゆっくりとした歌を一緒に歌うようにしよう。
2箇所目は、独居型シニアホーム。1回目のところよりは、介護度も低い。
月々の費用は4,200ドル(日本円で50万ほど)。更に、ケアギバーを自分で頼む人もいるとのことで、それば別費用。
ここに入居しているというだけで、相当裕福な方々になるのだろう。
アメリカの介護サービスの質
介護やシニアホームのことについては、まだ書きたいことがあるが、また今度。
言いたいことは、日本国内の介護制度は、本当に素晴らしいということ。
訪問した日系シニアホームは、アメリカでは最高レベルの介護施設。
世界各国からの出稼ぎや、移民関係のケアギバーがどんなことになるか、日本人の想像を超える。もちろん、日本食なんて出てくるわけもなく、優しく丁寧な言葉づかいや、着替え、介助など、期待してはいけない。
名ばかりの介護のトレーニングを受けた人たちが、怒鳴り散らし、雑多に行う介護がどんなものか…
シニアホームでの実習についても、色々と思い出はあるが、それはまた今度にしよう。