今日の世紀末

ロサンゼルス中心街にある教会へ、月一回、日曜の礼拝メッセージのお手伝いに行っている。
もう半年ぐらい経つ。ロサンゼルス中心地にある、United Methodist Centenary Church。
メソジスト系の中でも、特にリベラルな教会。主任の先生が引退し、次の先生を見つけるのに手間取っているということで、日本に帰るまでの間お手伝いに行っている。
リトル東京
ロサンゼルスのダウンタウンには、これまで年に1回行くかどうかという頻度だったが、今は月に1回通っている。
非常に歴史の長い教会で、日本からの移民が作ったリトル東京のすぐ近くにある。
リトル東京とは言えど、少し調べれば、多くの人が言及しているが、もはや名前ばかりの”日本人街”。日本を模している観光地で、そこにあるお店もオーナーの殆どは、韓国系である。
かつては、日本人移民の古くからの店が残っていたが、今は一つ二つと店を畳み、代わりに日本の名前とサービスを模した店が入っている。
日本人であれば、それが日本の味や品物でないことはすぐに分かるが、これを日本だと思って来るアメリカ人やラテン系アメリカ人には分かる由もない。
歴史ある日本人教会
話がそれたが、今お手伝いに行っているCentenary教会は、一世と呼ばれる、日本から移民した人たちが作った教会。もう130年近い歴史がある。100年を越える歴史を持つ日本人教会は、アメリカでもそう多くはないと思う。
由緒ある教会だが、現状は厳しい。かつては日本人移民が互いに支え合い、文化を受け継いできたコミュニティも、今は継承者も少なく、治安の悪化に伴い、ダウンタウンに移住してくる日本人は非常に少ない。
センテナリー教会は、アメリカでも治安が最悪と言われるホームレスのスラム地域、Skid Row地域の中にある。
米国に来てまさかSkid Rowにまで通うことになるとは思わなかったよ。
そして、もう一つ特筆すべきは、センテナリーはバリバリの、リベラル教会=LGBTQ推進教会である。これもまた、自分がそういうところに足突っ込むことになるとは思わなかった。
この件については、また思うところを色々書いていくことが出来ればと思っている。
今の段階で、断っておくとすれば、私はリベラルに賛成しているわけではまったくなく観察のつもりで行っている。経緯を記していないが、今行っている教会は単にメソジスト系だから、ということで行っており、あんまりLGBTQがどうだということは頭になかった。
日系の教会で、LGBTQに熱意を燃やしている教会は、知っている限り一箇所だけで、それ以外の日系教会の先生たちは、そんなに関心を持っているふうでもない。少なくとも、教会の中心的な関心事として据えていない。
センテナリー教会の教会員の方は、現在礼拝に参加しているのは20名前後。日系の教会は、他の国、人種の教会に比べれば小さいが、よく頑張っていると、本当に思う。異国の地で、日本の文化を受け継ぎながら、日本人コミュニティに仕え続けている。
日系移民といっても、2代目で日本語はカタコトになるし、3代目となれば殆ど日本語は話せなくなり、アメリカ社会に溶け込んでいく。
自然と、移民の共同体のつながりも疎遠になっていく。
日系の方も、日本から移住してきた方も、異国の地で生き抜くことは簡単ではない。信仰を持って、教会を維持している信仰を本当に尊敬する。日本人教会を立てあげてきた先生たちにも、心から頭が下がる。
私は彼らが続けてきたこと、繋いできた歴史を少しお手伝いすることしか出来ないけど、出来ることがあれば、支えたいと思う。
リベラルだかなんだか知らないが、私が見ているのは、この苦労してきた日本の人達とその信仰だけ。
今日の世紀末
今日書きたいのは、教会のことではなくて、このダウンタウンの地域のこと。
よく、Youtuberとか、日本からの旅行ジャーナリストの人とかが実況をしにくる地域。そこに、通うわけなんだけど、やはり治安の悪さは尋常ではない。
今私が住んでいる地域は、ここから20分ほどでそんなに離れていないわけだが、それでも、段違いに治安の悪さが違う。
もう、無法地帯であり、北斗の拳のヒャッハー地帯をリアルで見ているような感じである。
Skid Rowで車が止まったら、殺される、と聞いたことがあったが、間違いではないと思える。本当に、入りこまないように、気をつけないといけない。以前、Skid Rowのどまんなかにある、レスキューミッション(ホームレスの収容施設)で実習をしたことがあったが、建物の外には出ないように言われた(地下の駐車場に来るように指示されていた)。
外は、文字どおり難民キャンプのようにテントが並んでおり、「絶対に近づかないでください。テントの中ではあらゆる事が行われている」という説明だった。
コロナの前でその様相だったが、コロナを通じて、ダウンタウンに通勤している人、住んでいる人すら、さらに治安が悪くなったと話している。私が住んでいる地域の治安ですら、ひどくなっている。
まぁ、そういう感じなんですけども、以下のようなことが起きています。
ホームレス村
テントの集まりとかではなくて、もう集落となっています。
大型のバラック状の何かが散見されます。
道路は時々清掃されますが、あっという間にもとに戻ります。多分警察か何かが来て、立ち退かせるのかも知れませんが、すぐに元通りです。もとに戻るだけではなく、ホームレスによって作られるカオスは拡大し、植生が進むように、治安は急激な悪化を見せます。
まず、ゴミが散乱して街が汚くなるところから始まるのですが、次にGrafity(落書き)が現れます。外観が汚くなると、破壊活動が始まります。ガラスが割れドアが蹴破られます。
ゴミの量が増え、一般人の通行は不可能になります。襲撃されても文句も言えない状況を呈してきます。
野良犬が歩き回ります。ホームレスの人々のペットらしいのですが、リードも首輪も無く、もはや野犬なので、ますます危険です。
道端ではゴミが燃やされ、その火で人が暖を取っています。
テントとバラック、ゴミで歩道は通行不可能。車道をゾンビのような人が往来します。
これが、ロサンゼルスのダウンタウンです。
上の写真は、車のダッシュカメラの映像で、わかりにくいですが、左の赤は路上で燃えている日で、右は道路をフラフラと横切ろうとしている住人です。
日本では考えられない光景ですよね…。米国に来たときには政治のこととかあまり分かりませんでしたが、今は、為政の大切さ感じます。
これがリベラルを突き詰めた、一つの結果です。